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新釈 走れメロス 他四篇
森見 登美彦
祥伝社 2007-03-13
恐ろしく久しぶりの読書レビューです。
誰でも一度は名前を聞いたことがあるであろう「走れメロス」をはじめ、古典的な名作5編をモリミーこと森見 登美彦氏が大胆な新釈で新たに命を吹き込み、舞台を京都の大学生達の生活に移した短編集。
などと硬め(?)の文章で始めてみたけども、気構えることなくサックリと読める仕上がり。
原作を読んだことがある人はもちろん「名前は知ってたけど、古典的な名作ってどうにも取っ付きにくくって読んだ事無いんだよなぁ。」と言う人も十分に楽しめます。
特に表題作「走れメロス」の全体に漂う阿呆な空気がたまらなく楽しい!
「楽団の甘く奏でる『美しく青きドナウ』にのせて桃色ブリーフ一丁で踊り、学園祭のフィナーレを飾らねば詭弁論部を廃部にする。」
という図書館警察長官の要求に対し、姉の結婚式に出席するため一日の猶予を願い出て、親友の芹名を人質に置く芽野。
姉なんていないのに!(爆笑
互いを信頼し合い、助け合い、抱きしめあうなどと言う清らかで口当たりの良いものばかりが友情なのか?
約束も守らず、裏切りあって罵り合って、これっぽっちも相手を信頼しない友情だって存在するんじゃないか?
『自転車にこやか整理軍』の追っ手をかいくぐり、京都中を走りまわる疾走感!
走れ芽野!約束を守らないために!(笑
※
蛇足だけど、原作「走れメロス」のオチは、全裸なのを親友のセリヌンティスに指摘されてメロスがひどく赤面すると言うものだということは意外と知られて無い事実(笑
結婚式の宴会で泥酔した上に翌日寝過ごしたり、歌いながらのんびり歩いたり、メロスの行動って突っ込みどころ満載なんですよね。
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